渥美半島菜の花浪漫街道ブログ♪

西ノ浜の写真を基に以前、詩を書きました。
浜の堤防に軽四トラックを止めて、夕日をひたすら見つめる農作業姿の夫婦の語らい。
波打ち際の砂浜をマンガン代わりの鍬で湧いた貝を掘り、今夜はみんなで浜の宴。






農海民哀歌




西ノ浜衆は何処行ったと


番屋の木船が砂を枕に海に尋ねる


網引く網子は何処へ行ったと袋網が重なって嘆く


荷はまだか、まだかと


生が抜けたタイヤを砂に埋めた赤錆リヤカーが呻く


西ノ浜に波風が立ち、誰波が騒ぐ

西ノ浜衆は何処行った　　おいさ　　　おいさ

くるうまい　　　　　くるうまい


眠気眼の鳶が昔は良かったと


網から盛れた鰯を惜しみ　　宵の亡骸を探せば


群れカラスにおれの飯だと
嘴を容れられ

波に脚をとられ、溺れる

追い風に　ピー　ヒュルルルーと啼いて舞う

西ノ浜に波風が立ち、誰波が騒ぐ

西ノ浜衆は何処行った　　おいさ　　　おいさ

くるうまい　　　　　くるうまい

朝焼けに、土を捏ねる間に

西ノ浜衆は浜に行く　暇が無くても気に掛かり

魚の上は無いかと見に回る　　浜に行けば和む

番屋周りの砂には草がない

波打ちに長靴の千鳥跡　　　想い探しの刻が過ぎる

西ノ浜に波風が立ち、誰彼が騒ぐ


西ノ浜衆は何処行った　　

おいさ　　　おいさ

くるうまい　　　　　くるうまい


By 原田（発信し隊）